2013年08月11日

第17講 ペンクリニックって、何?

「ペンクリニック」ってご存知ですか?

もしかしたら、会場を見たことある方もいらっしゃるかもしれませんね。

ペンクリ


セーラー万年筆やパイロットコーポレーションなどには

何十年も万年筆の修理や開発などを担当している

「ペン職人(ペンドクター)」と言われる方々がいらっしゃいます。


その方々が、日本全国の万年筆の販売店を回って

お客様と会話をしながら、無料で万年筆の調整をするという

知る人ぞ知る、万年筆イベント。それが「ペンクリニック」です。


ちなみに「調整」とは、


●インクの出を良くしたい

●インクの出をしぼってほしい

●書き味をもっと滑らかにしてほしい


などの、万年筆に対するお客様の要望を聞いて、

理想の書き味に近づけてあげるということです。


一人一人、書きグセというのは違いますから、

ペンドクターの方は、対面での会話を通じて

お客様の筆圧や、筆記角度、筆記スピードなどを把握して、

その人に合った調整をされます。


ちなみに、ちょっと調整しただけで、

書き心地はころっと変わります。

自分の万年筆が、気持ちよく書けるようになれば、

誰でも思わず笑顔になってしまいます。

画太郎


なお、どうしても調整では無理という方は、

「修理」に出すことを勧められます。

あくまで「調整」ですので、出来ることは限られています。



現在、私たちが全国でお会いできるペンドクターは、


●ペンドクター 長原幸夫氏 (セーラー万年筆) 

長原幸夫


●ペンドクター 川口明弘氏 (セーラー万年筆)

川口明弘


●ペンドクター 広沢諄一氏 (パイロットコーポレーション)

広沢諄一


●ペンドクター 奥野浩司氏 (パイロットコーポレーション)

奥野浩司


の4名です。


ちなみに最初にペンクリニックを始めたのは、

2007年、厚生労働省の「現代の名工」に選出された

セーラー万年筆の長原宣義氏ですが、

ご高齢のため、現在はほとんどペンクリニックはされておりません。

ご子息の長原幸夫氏がその技を受け継いで、全国を回っていらっしゃいます。

長原宣義
◆「現代の名工」長原宣義氏◆


最後に、ここで誰もが疑問に思うこと、

「ペンクリニックでどんな注文をしているのか?」


これについては、販売員時代に

お店でひそかに統計を取りましたので、是非参考にしてください。


■ ペンクリニックでよくある注文例 ■


●インクフローを良くしたい
(もっとインクを良くする、しぼる)

●字幅を調整してほしい
(もうすこし細く・もうすこし太くなど)

●ペン先の滑りを良くしたい
(引っかかる・横滑りが良くないなど)

●ペン先曲がり調整
(床に落としたなど、重度の場合は修理対応)

●全体的にチェックしてほしい
(新品調整など)



さらに上級者になると、

●筆記角度を調整してほしい
(より自分好みに)

●『ノ』のはらいのときに特に引っかかる
(細かい!)

●書き味を『ぬらぬら』という感じにしてほしい」
(万年筆で一番好まれる書き味です)


という感じです。



もしお近くの販売店などでペンクリニックの開催がありましたら、

是非とも遠慮せずに参加して、

ペンドクターに、自分の思いのたけをぶつけてください。


初めはけっこう緊張しますが、

ペンドクターの方は皆さん優しいかたばかりですから、

できるだけ理想に近づけるように一生懸命努力していただけると思います。


そして無理な注文なら、はっきりと「無理!」と言われます。

やはりそこは職人ですね。

no.jpg



さて、今回で「基礎知識編」は終了です。

おおよそこれくらいを知っておけば、万年筆を楽しんでお使いいただけるかと思います。


そして次回からは、もうちょっとつっこんだお話を。

元販売員だからこそ知ってる情報や、

これを知ってると、万年筆通に一目置かれる(かもしれない)お話を

盛り込んでいきたいと思います。

やるやんけ


それでは今日はこの辺で、

いつかあなたが、最高の一本に出会えますように・・・。
posted by よしおし at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 基礎知識編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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